身近な場所にも増えるデジタルサイネージ
多くの人が行き交う駅や公共機関、医療機関、商業施設など街頭を歩いていて、ディスプレイにインフォメーションや広告が表示されているのを見かけたことはありませんか?そういえば……と思い出されたなら、それが「デジタルサイネージ(Digital Signage)」です。
このシステムは、従来の看板やポスターなどに比べ、初期導入コストはややまとまったものとなるものの、視認性に優れ、また動的に表示するコンテンツを変化させられるなど多くのメリットと活用可能性を有していることから、近年、さまざまなシーン・場所で導入が進んでいます。
かつては大規模なシステムが必要であったため、これを活用できるのは一部の大企業や公共団体などに限られていましたが、昨今は小規模でコストも抑えられるタイプ、よりシンプルな仕組みに絞り込んだタイプも登場し、選択肢が広がったことから、個人店舗などでも検討しやすくなっています。
そこで今回は、このデジタルサイネージを導入するにはどんな機器が必要となるのか、最新情報をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
デジタルサイネージは大きく分けて2種類!
デジタルサイネージは、大別すると2種類のタイプがあります。ひとつはスタンドアローン型、もうひとつはネットワーク型です。違いは回線につながっているか否かで、オンラインによる運用・管理を行うのがネットワーク型です。
前者のスタンドアローン型と呼ばれるタイプの場合では、インターネット環に接続させる必要がなく、コンテンツのデータはUSBなどのメモリー媒体に書き込み、これを読み込ませることで表示再生させる仕組みになります。表示を頻繁に変更しないケースや1拠点のみでの小規模運用などに向き、よりシンプルで必要機器も最低限とすることができます。
これに対し、ネットワーク型の場合は、接続する無線LANなどインターネット環境やネットワークシステムが必要です。多拠点の情報を一括で管理したり、時間帯や接触するターゲットに応じて情報を出し分けたりと、よりデジタルサイネージならではのメリットを活かせるのはこちらになります。
目的に合った機器を賢くそろえよう!
さて、いよいよ必要な機器についてですが、スタンドアローン型でも、ネットワーク型でも、まず不可欠なものとして、ハードウェアにあたる映像表示装置が挙げられます。当然ながら、このディスプレイなくしてデジタルサイネージは成立しません。
一般的には、デジタルサイネージ専用のものを用意することが多く、液晶ディスプレイやLEDディスプレイ、プレーヤー内蔵の電子看板、大型ビジョンなどがあります。7インチほどのごく小型のものから、100インチを超える大型のものまで、さまざまなサイズがあり、解像度もHDやFull HDが主流ですが、さらに進んだ4K・8K対応のタイプもあります。
タッチ操作に対応するディスプレイならば、双方向性広告として運用させることも可能です。汎用テレビ向けのディスプレイを代用するケースもありますが、角度の変化で見えづらく、連続使用にも不適となることが多いため、専用装置がお勧めです。最も重視すべき視認性に大きな影響を与えるところですから、設置場所や用途から最適なものを選ぶようにしてください。
スタンドアローン型の場合は、プレーヤー内蔵のディスプレイでない限り、他に接続して使うメディアプレーヤーが必要です。あとはコンテンツを作成する管理用のパソコンとプレーヤーに対応する記録メディアがあればまずOKでしょう。
ここからはネットワーク型の場合です。ネットワーク型では、配信されてくるデータを受ける専用のセットトップボックスを用意する必要があります。スタンドアローン型のプレーヤーにあたるもので、設置環境の回線にあったものを選びます。
セットボックス自体のソフトウェア更新も自動で適用され、暗号化通信に対応するセキュリティ面の配慮もなされたタイプを選んでおくと運用負荷が少なくなりますし、安心・安全です。近年はごくコンパクトになっているため、ほぼ問題なく設置可能と考えられますが、スペースが限られる場合などは、本体サイズもよく確認しましょう。
ソフトウェアとして、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)と呼ばれるデータの管理・配信の機能を有したもの、表示コンテンツを作成する機能を搭載するものも不可欠です。サイネージの表示は、CMSの設定によって決まります。
作成から配信、スケジュールなどの策定・管理、運用までワンストップでカバーする専用のソフトウェアがツールとして多く提供されていますから、必要とする機能がそろっているか、操作性はどうかといった点で比較し、導入するとよいでしょう。
作成済みのコンテンツだけでなく、外部データと連携させて天気やニュース、災害関連の情報を連動表示させることが可能なソフトもあります。ネットワーク障害時でも、コンテンツ表示を維持させる機能や多拠点の管理をより容易にするものなど、高機能なタイプであれば、デジタルサイネージの可能性やメリットもさらに広がります。
まとめ
いかがでしたか。このほか管理用パソコンやサーバーなど、構築するシステムの規模などに応じ、必要なハードウェアや環境が増えてくる可能性がありますが、デジタルサイネージの導入で必要な機器は思うよりもシンプルに絞り込むことが可能で、予算が限られているケースでも決して高いハードルではありません。
近年は、クラウド型のソリューションも登場し、さらに使いやすく、より多彩で魅力的な情報を、最適なかたちで最適な人に届けられるデジタルサイネージの可能性と将来性は、ますます広がってきています。
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